家賃増額請求|家賃を上げたい賃貸オーナー必見!

賃貸オーナーが知っておきたい「家賃増額」のルールと現実的な進め方
「周辺の家賃は上がっているのに、うちの物件だけずっと同じ家賃のまま」「税金や管理コストは増えているのに、家賃は据え置きで不安」こうした悩みを抱える賃貸オーナーは少なくありません。
一方で、家賃は自由に上げられるものではなく、進め方を誤ると トラブル・長期化・想定外のコスト負担 につながることもあります。
この記事では、家賃増額が検討される考え方から、実際に増額を求める場合の流れ、注意点、最終局面まで を、賃貸オーナー向けに整理して解説します。
家賃が上げにくい理由をまず理解する
家賃は「合意」で決まっている
家賃は、オーナーが自由に決められるものではなく、当事者同士の「合意」によって成立しています。
現在の家賃は、
✅ 賃貸借契約を結んだとき
✅ もしくは、最後に家賃を見直したとき
の合意をもとに決まっている金額です。

そのため、周辺の家賃相場が上昇していたり、税金や管理コストが増えている場合であっても、オーナーの判断だけで一方的に家賃を変更することはできません。
家賃の見直しを考える際は、まず「現在の家賃が、いつ・どのような合意で決まったものか」を整理することが重要になります。
更新時なら家賃を上げられる、は誤解
「更新のタイミングなら条件を変えられる」と思われがちですが、実際には 更新=自由に家賃を変更できる機会ではありません。
普通の賃貸借契約では、
✅ 家賃に合意できなくても契約が続く
✅ 家賃増額だけを理由に更新を拒否するのは難しい
というのが基本的な考え方です。
それでも家賃を見直せる仕組みがある
家賃増額請求権とは何か
家賃は原則として合意が必要ですが、一定の条件を満たす場合に限り、オーナー側から将来に向けて家賃の見直しを求められる仕組みがあります。これが一般に「家賃増額請求権」と呼ばれる考え方です。
ポイントは、
✅ 感覚や希望ではなく
✅ 客観的に見て「今の家賃が妥当とは言いにくい状態」かどうか
が判断の軸になる点です。

家賃が見直されやすい判断要素
家賃の妥当性を考える際には、次のような事情が総合的に見られます。
① 土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減
✅ 固定資産税・都市計画税の増加
✅ 管理費・修繕費・共用部光熱費の上昇
オーナー側の負担が継続的に増えているかどうかは、重要な判断材料になります。
② 土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動
✅ 地価・建物価格の上昇
✅ 物価水準の変動
長期間家賃を据え置いている場合、周辺環境との差が広がることがあります。
③ 近傍同種の建物の借賃との比較
比較の対象になりやすいのは、
❌ 新規募集家賃
⭕ 継続して貸されている家賃水準
「今いくらで募集されているか」だけでは足りない点には注意が必要です。
④ 物件ごとの個別事情
✅ 特定の関係性を前提に低く設定されていた
✅ 前提条件が変わった
といった事情も、考慮されることがあります。
家賃増額を考えるときの実際の進め方
まずやるべき整理
家賃の見直しを考えたら、最初に整理したいのは次の点です。
✅ 最後に家賃を決めたのはいつか
✅ その後に何が変わったか
✅ 今の家賃は周辺と比べてどうか

家賃の見直しを考える段階では、
いきなり特別な書類を用意する必要はありません。
ただし、後から不利にならないために、次の点は整理しておきたいところです。
✅ 最後に家賃を決めた時期が分かる契約書や更新書類
✅ その後に変わった事情が分かる資料(税金通知、管理費の変化など)
✅ 周辺の賃貸水準を把握できる情報(近隣物件の家賃帯など)
最初の段階では、「完璧な証拠をそろえる」よりも、事実関係を時系列で説明できる状態にしておくことが大切です。
ここが曖昧なまま進めてしまうと、後になって話が食い違い、不利な立場になりやすくなります。
家賃増額を求める意思表示
家賃の見直しを求める場合は、口頭だけで済ませず、記録が残る形で伝えることが重要です。
✅ いつ
✅ 誰に
✅ どのような内容を伝えたのか
が後から確認できる状態にしておくことで、話し合いを冷静に進めやすくなります。
記録が残る形としては、書面での通知や、内容が残るメールなどが一般的です。
一方、電話や口頭のみのやり取りは、言った・言わないの食い違いが生じやすく注意が必要です。
内容証明は、送付した内容と時期を明確に残せる方法ですが、最初から使う必要は必ずしもありません。
✅ まずは穏やかな書面やメールで伝える
✅ 話し合いが進まない場合に内容証明を検討する
といった段階的な対応を取ることで、
無用な対立を避けながら進めることができます。
借主が応じなかった場合はどうなる?
自動的に増額されるわけではない
家賃増額請求で金額の見直しを求めても、借主が納得しなければすぐに家賃が確定するわけではありません。
この場合、
✅ 話し合いを続ける
✅ 第三者を交えた調整を検討する
といった段階を踏むことになります。

話し合いで折り合わない場合の進め方
家賃の見直しについて丁寧に話し合っても、必ずしも双方がすぐに納得できるとは限りません。
そのような場合には、当事者だけで無理に結論を出そうとせず、第三者が関与する手続きが検討されることがあります。
第三者とは誰のことか
ここでいう「第三者」とは、家賃の妥当性について中立的な立場で関与する存在を指します。
具体的には、次のような場面が想定されます。
✅ 裁判所を通じた調停手続き
✅ 裁判による判断
いずれも、感情論ではなく、家賃水準が客観的に見て妥当かどうかを整理するための場になります。
調停とはどのような手続きか
調停は、裁判所において、調停委員が間に入り、話し合いによる解決を目指す手続きです。
この段階では、
✅ どちらが正しいかを決める場ではない
✅ 現実的な落としどころを探る場
という位置づけになります。

調停は裁判に比べて費用負担が小さく、比較的利用しやすい手続きとされています。
調停に弁護士は必要か
調停については、必ずしも弁護士を依頼しなければならないわけではありません。
✅ オーナー自身が出席して進めることも可能
✅ 弁護士を付けずに進むケースも多い
一方で、
✅ 主張の整理が難しい
✅ 家賃水準の争点が複雑

と感じる場合には、事前に相談したり、同席してもらうという選択肢もあります。
状況に応じて、無理のない関わり方を選ぶことが大切です。
調停でまとまらない場合はどうなるか
調停でも合意に至らなかった場合、次の段階として、裁判で判断されるケースがあります。
裁判では、
✅ 現在の家賃が妥当といえるか
✅ 見直すとした場合、どの水準が適切か
といった点が、資料や数字をもとに整理されます。
ここでは、当事者の主観ではなく、客観的な基準に基づく判断が行われます。
鑑定が行われるケースが多い
家賃の妥当性が争点になる場合、不動産鑑定士による評価(鑑定) が行われることが一般的です。
ここで意識しておきたい点は、
✅ 鑑定には数十万円程度の費用がかかる
✅ 結果がそのまま判断のベースになることが多い
という現実です。

鑑定にかかった費用は誰が負担する?
最終的には、裁判所の判断で「当事者間でどう負担するか」が決まります。
ただし、一時的には立て替えが必要になるのが現実です。
鑑定費用の基本的な流れ
裁判で賃料の妥当性が争点になると、
裁判所が 不動産鑑定士による鑑定 を行うことがあります。
このときの流れは次のようになります。
✅ 裁判所が鑑定を実施すると決定
✅ 裁判所から「鑑定費用の予納」を求められる
✅ 原則として、当事者のどちらか、または双方が一時的に立て替える
つまり、
最初は誰かが「先に払う」必要があります。

立て替えるのは貸主?借主?
ケースによりますが、よくあるのは次のパターンです。
✅ 貸主・借主が半分ずつ予納する
✅ 一方当事者がまとめて予納する
どちらになるかは、裁判所の判断や事案の内容によって異なります。
家賃が確定した場合
遡って精算が必要になることがある
最終的に家賃が見直された場合、その金額は「将来分」だけでなく、見直しを求めた時点まで遡って適用される
という扱いになることがあります。
具体的には、
✅ 家賃の見直しを求めた日を起点として
✅ それ以降に支払われていた家賃と
✅ 新しく確定した家賃との差額を
まとめて精算する必要が生じる場合がある、ということです。

つまり、月々の家賃が確定した時点で終わりではなく、過去にさかのぼって調整が行われる可能性がある点には注意が必要です。
この扱いは、話し合いや判断が長引いた場合ほど影響が大きくなりやすいため、事前に理解しておくことが重要になります。
年10%相当の利息が発生することがある理由
家賃の見直しがまとまり、最終的に「本来はこの金額が妥当」と判断された場合、その金額は 見直しを求めた時点までさかのぼって適用される ことがあります。
このとき問題になるのが、“本来払うべきだった家賃” と “実際に払っていた家賃” の差額です。
もし借主が、話し合いや手続きの途中で「自分はこの金額が妥当だと思う」として低めの家賃を払い続けていて、あとから確定した妥当家賃のほうが高かった場合、その差額をまとめて支払う必要が出ることがあります。
さらに、その差額について、
✅ 差額が発生していた期間に応じて
✅ 年10%相当の利息が上乗せされる
扱いになることがある点に注意が必要です。
どういうときに「負担が大きくなりやすい」のか
この利息の考え方は、
「争っている間、ずっと差額を持ち越していた」状態に対して、後から清算が必要になるイメージです。
そのため、次の条件が重なるほど、借主側の負担が膨らみやすくなります。
✅ 見直しの話が長引いた(数か月〜年単位)
✅ 差額が大きい(数千円〜数万円の違いが続いた)
✅ 最終的に確定した家賃が、借主が払っていた額より高かった
結果として、「差額」+「利息」で、想定以上の金額になることがあります。
なぜこの話が「交渉材料」になることがあるのか
この仕組みを事前に理解していると、借主側としても「長引かせるほど負担が増える可能性がある」ため、早めに落としどころを探そう という動きになることがあります。
つまり、この話は
✅ 先延ばしにするほど精算が重くなる可能性がある
✅ だからこそ、現実的な合意点を早めに探したい
という “整理” の材料として使われることがある、という位置づけです。

家賃増額は「費用対効果」で考える
家賃を上げること自体が目的になってしまうと、
❌ 時間
❌ 費用
❌ 関係悪化
のリスクが大きくなります。
考えるべきなのは、
✅ 増額によってどれだけ改善するのか
✅ そこまで進める価値があるのか
という視点です。

家賃交渉が折り合わなかった場合の「合意更新」と「法定更新」
家賃の見直しについて話し合いを重ねても、金額について合意に至らないまま、契約期間の満了時期を迎えることがあります。
このときに重要になるのが、「合意更新」と「法定更新」という2つの更新の考え方です。
合意更新とは
合意更新とは、オーナーと借主が更新条件に合意したうえで契約を更新する形です。
たとえば、
✅ 賃料はいくらにするのか
✅ 更新料を支払うのか
✅ 契約期間を何年とするのか
といった条件について、双方が納得し、書面などで確認したうえで更新するケースが該当します。

家賃交渉がまとまった場合は、この合意更新によって、新しい条件が正式に確定します。
合意更新ができない場合はどうなるのか
「家賃について合意できないなら、更新はしない」と考えられがちですが、普通の賃貸借契約では、必ずしもそうなるわけではありません。
家賃の金額で折り合いがつかなくても、一定の条件を満たすと、契約は別の形で継続することがあります。
法定更新とは(期間の定めのない契約になる)
更新条件について合意ができないまま契約期間が満了しても、
✅ 借主が引き続き家賃を支払い
✅ そのまま居住を続けている
場合には、契約は法定更新され、「期間の定めのない賃貸借契約」に切り替わります。
この場合、
✅ 契約自体は終了しない
✅ ただし契約期間の定めはなくなる
✅ 賃料などの基本条件は原則として従前どおり
という整理になります。
法定更新になると更新料が問題になりやすい理由
法定更新では、
✅ 新たな更新条件について合意していない
✅ 更新という手続き自体が存在しない
ため、「法定更新の場合、更新料は支払わなくてよい」と借主から主張され、更新料を請求できない、または争いになるケースが出てきます。
法定更新でも更新料を請求するために重要なこと
このようなトラブルを防ぐためには、契約書の記載が非常に重要です。
具体的には、契約書や更新条項の中に、
✅ 法定更新の場合にも更新料の支払義務がある
旨を、あらかじめ明記しておくことがポイントになります。

この記載があることで、
✅ 合意更新か法定更新かを問わず更新時には更新料が発生する
という整理がしやすくなり、
更新料をめぐる無用なトラブルを避けやすくなります。
更新料と賃料増額をどう考えるか
更新料を確実に受け取りたいという理由から、合意更新を選びたくなる場面もあります。
ただし、更新料を優先する場合には注意が必要です。
更新時のやり取りの内容によっては、
✅ その時点で従前の賃料を受け入れた
✅ 家賃について改めて合意した
と評価され、
更新時点が「実質的な最終合意時点」と見られるリスクが生じることがあります。
賃料増額の話が出ていたのに従前賃料のまま合意更新し、更新料を受け取り特に留保もなく更新したという経緯があると、「この更新時点で、その賃料を受け入れたのでは?」「ここが“最後の家賃合意”では?」と評価されるリスクが出てきます。そうなると、
✅ 比較の起点が「更新時点」になる
✅ 契約当初や過去の家賃合意時点は使えなくなる
という扱いになりやすくなります。
実務上、何が不利になるのか
更新時点が最終合意時点と見られると、次のような問題が生じます。
✅ 更新からあまり時間が経っていない
→ 「状況はほとんど変わっていない」と判断されやすい
✅ 周辺相場や税金の上昇が更新前から続いていた
→ 「それは更新時に分かっていたのでは?」と言われやすい
✅ 増額の合理的理由を説明しにくくなる
→ 「なぜ今になって増額なのか」が弱くなる

結果として、
賃料増額請求そのものが認められにくくなる可能性が高まります。
合意更新=必ず最終合意時点になるわけではない
もっとも、
合意更新をしたからといって、
必ずその日が最終合意時点になるわけではありません。
重要なのは、
✅ 家賃について実質的な合意があったのか
✅ 賃料について協議継続中であることが読み取れるか
といった、
更新時のやり取りの中身です。
家賃について留保を明確にしたうえで更新していれば、
最終合意時点が、
過去の家賃合意時点のままと評価される余地もあります。
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