住宅ローンの繰り上げ返済は得?低金利時代は「投資に回す」選択も正解?

住宅ローンを繰り上げ返済すべきか迷っていませんか?
住宅ローンをできるだけ早く返したい――そう考える人は少なくありません。
「借金がある状態が落ち着かない」「金利を払うのがもったいない」と感じるのは自然なことです。
しかし、いまのように住宅ローン金利が0.5〜0.7%台という超低金利時代では、
「繰り上げ返済をすれば必ず得をする」とは言い切れません。
むしろ、ローン金利よりも高いリターン(3〜5%など)が期待できる投資や積立運用に資金を回したほうが、
長期的に見て総資産を増やせる可能性もあります。
住宅ローンを「早く返す」か「上手に活かす」かは、
金利差・住宅ローン控除・ライフプランの3つを軸に考えることが大切です。
本記事では、住宅ローンの繰り上げ返済を行う際の具体的なメリットとデメリットを整理し、
「今すぐ返したほうがいい人」と「返さずに資産運用を優先したほうがいい人」の違いを、
専門家目線でわかりやすく解説します。
あなたの状況に合った最適な判断基準を見つけるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
住宅ローンの繰り上げ返済とは?2つのタイプを理解しよう
住宅ローンの繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に一部をまとめて返すこと。
主に以下の2種類があります。
種類 | 内容 | 効果 |
---|---|---|
期間短縮型 | 返済期間を短くする | 総利息を大幅に削減できる |
返済額軽減型 | 毎月の返済額を減らす | 家計の負担を軽くできる |
どちらも「残高を減らす」ことが目的ですが、目的に応じて選び方が変わります。
特に長期ローンでは、早期に繰り上げるほど利息削減効果が高くなります。
繰り上げ返済のメリット
① 支払う利息を減らせる
住宅ローンの利息は「残高×金利×期間」で決まります。
そのため、早く残高を減らすほど利息が減る仕組みです。
例:3,000万円を金利1.0%・35年で借入
→ 総利息は約560万円
→ 10年目に300万円を繰り上げ返済(期間短縮型)
→ 総利息は約120万円減少
つまり、「余裕資金を利息カットに使う」ことができるわけです。

② 老後の家計が安定する
定年を迎えたあとに住宅ローンが残っていると、毎月の返済が家計を大きく圧迫します。
現役時代は問題なく返せていても、退職後は収入源が年金のみになるケースが多く、
月々の返済額がそのままだと、生活費や医療費、修繕費などとのバランスが取れなくなってしまうのです。
その点、繰り上げ返済によって60歳前後までに完済できれば、老後の固定支出を大幅に減らすことが可能です。
毎月10万円の返済がなくなるだけでも、年間120万円、10年で1,200万円の家計負担が軽くなります。
これは単にお金の問題だけでなく、「老後に借金を抱えない安心感」という精神的なメリットも非常に大きいでしょう。

また、退職金を活用した部分的な繰り上げ返済であれば、
老後資金をすべて失うことなく、返済と生活の両立を実現できる点も魅力です。
将来の年金収入や生活費を見据えて、定年前完済を一つの目標に設定するのは、老後の安定した暮らしを守る賢い戦略と言えます。
③ 心理的な安心感
借金を減らすことで、精神的なストレスが軽くなるという効果もあります。
住宅ローンは長期間にわたるため、「あと何十年も返済が続く」と思うだけで不安を感じる人も多いでしょう。
繰り上げ返済で残高が減ると、先の見通しが立ちやすくなり、将来への安心感が増すという心理的なメリットがあります。
「毎月返済に追われる不安から解放されたい」という理由で繰り上げ返済を選ぶ方も少なくありません。
繰り上げ返済のデメリット・注意点
① 手元資金が減るリスク
繰り上げ返済で手持ちの現金を減らしすぎると、
急な出費(病気・修繕費・教育費)に対応できなくなります。
生活費6か月〜1年分+予備資金を残すのが鉄則です。

② 住宅ローン控除の恩恵が減る
住宅ローン控除は、年末残高の0.7%(最大13年間)を所得税から控除できる制度。
繰り上げ返済をすると残高が減るため、控除額も同時に減ってしまいます。
特に控除期間中(10〜13年)は、繰り上げ返済のメリットが相殺されるケースもあります。
③ 超低金利では「効果が薄い」
たとえば住宅ローン金利が0.5%〜0.7%であれば、
300万円を繰り上げ返しても年間の節約額はわずか1万〜2万円程度。
その一方で、投資信託などで年3〜5%の運用益を狙えるなら、
「繰り上げ返済より運用」の方が合理的です。
低金利時代は「繰り上げ返済より資産運用」が有利な場合も
① 金利差が“リターン”を決める
住宅ローンの金利が0.6%、一方で運用リターンが5%なら、
金利差=約4.4%の利益を得られる可能性があります。
たとえば300万円を繰り上げ返す代わりに、
年5%の運用で20年間運用すると…
→ 約800万円まで増える試算になります(複利計算)。
つまり、繰り上げ返済は「確実に節約」だが、運用は「増やすチャンス」。
低金利で借りられている今は、
“あえて繰り上げ返済をしない勇気”も選択肢のひとつです。

② リスク管理ができれば運用が優位
もちろん投資にはリスクが伴います。
しかし、分散投資・積立型・長期運用を組み合わせれば、
リスクを抑えつつ安定的なリターンを狙えます。
FP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家と相談し、
「住宅ローン金利<想定運用リターン」であれば、
繰り上げ返済より資産運用を優先する戦略が合理的です。
繰り上げ返済が向いている人・向いていない人
タイプ | 向いている人 | 向いていない人 |
---|---|---|
金利 | 1.0%以上 | 0.5%未満 |
年齢 | 定年前に完済したい | 若く長期ローンを活用中 |
貯蓄 | 生活費1年分+余裕あり | 手元資金が少ない |
投資志向 | リスクを取りたくない | 運用で増やしたい |
控除 | 控除が終わった | 控除期間中 |
専門家のおすすめ戦略:「控除期間後に部分的繰り上げ」
最もバランスが良いのは、
住宅ローン控除が終わったタイミングで一部繰り上げ返済を行う方法です。
控除期間中は節税効果を最大限活かし、
期間終了後に手元資金と相談して一部返済すれば、
利息を抑えながら運用も両立できます。
さらに、「変動金利→固定金利」への見直しや、
「繰り上げより金利交渉で下げる」戦略も有効です。
まとめ:住宅ローンを“早く返す”より“賢く活かす”
比較項目 | 繰り上げ返済 | 投資・運用 |
---|---|---|
利息削減効果 | 確実に小さく節約 | なし |
資産増加 | なし | 見込みあり(3〜5%) |
リスク | ほぼゼロ | 市場変動リスクあり |
精神的安心 | 大きい | 慣れが必要 |
節税(控除) | 減少する | 継続可能 |
🔸 低金利ローンは「返す」より「活かす」。
資金をいかに増やすか・守るかを考える時代です。
✅ まとめの一言
住宅ローンの繰り上げ返済は、金利・住宅ローン控除・資産運用リターンの3つの要素を総合的に比較して判断することが大切です。
単に「早く返せば安心」「利息がもったいない」と感情的に決めてしまうのではなく、数字と制度の両面から冷静に検討することが、結果的に家計全体の得につながります。
特に現在のような超低金利(0.5〜0.7%台)で借りられる時代では、無理に繰り上げ返済を急ぐよりも、
その資金を投資信託や積立NISAなど、年3〜5%のリターンが期待できる資産運用に回すほうが、長期的には大きなリターンを得られる可能性があります。
また、住宅ローン控除期間中であれば、年末残高の0.7%が控除される恩恵を受けながら、低金利で借り続ける方が合理的といえるでしょう。
つまり、繰り上げ返済は「借金を減らすための行動」ではなく、人生全体の資金戦略の一部として考えることが重要です。
超低金利時代の今こそ、あえて返済を急がず、お金を“減らす”より“増やす”方向に動かす発想が、これからの賢い選択といえるでしょう。
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