住宅ローンのまま賃貸で貸す?団信・火災保険・金融機関リスクを徹底解説

「住宅ローンが残っている自宅を賃貸に出したい」
転勤、転職、結婚、離婚、親との同居、住み替えなどをきっかけに、このような状況になる方は珍しくありません。
そこで気になるのが、
・住宅ローンを返済中でも賃貸に出せるのか
・銀行に黙って貸したらバレるのか
・バレたら住宅ローンを一括返済しなければならないのか
・転勤なら住宅ローンのまま貸せるのか
・賃貸にすると団体信用生命保険(団信)はどうなるのか
・火災保険はそのままでいいのか
・住宅ローン控除はどうなるのか

といった問題です。
先に結論からお伝えすると、住宅ローン返済中の自宅を、金融機関に何も伝えず自己判断で賃貸に出すことはおすすめできません。
住宅ローンは基本的に「本人やその家族が住む住宅」を取得するための融資だからです。
一方で、
「住宅ローンが残っていたら絶対に賃貸できない」というわけでもありません。
転勤などのやむを得ない事情があり、金融機関へ事前に相談した結果、住宅ローンを継続したまま一時的な賃貸を認めてもらえるケースがあります。
重要なのは、
「住宅ローンがある=賃貸禁止」と単純に考えるのではなく、借入先の金融機関に事情を説明し、承諾を得たうえで進めることです。
この記事では、住宅ローン返済中の家を賃貸に出す場合について、金融機関、団信、火災保険、住宅ローン控除などのポイントを順番に解説します。
【結論】住宅ローン返済中の家を賃貸に出せる?
結論を整理すると、次のようになります。
| ケース | 賃貸できる可能性 |
|---|---|
| 転勤で一時的に自宅を離れる | ○ 認められる可能性あり |
| 海外赴任 | ○ 認められる可能性あり |
| 親の介護などやむを得ない事情 | ○ 個別相談 |
| 一時的な住み替え | △ 金融機関による |
| 結婚・離婚等による転居 | △ 個別相談 |
| 自宅に戻る予定がない | △~× |
| 最初から投資目的だった | × リスクが高い |
| 金融機関に無断で第三者へ貸す | × 原則避けるべき |
ポイントは、賃貸に出す理由と将来的に自宅へ戻る可能性です。
実際、融資対象となった自宅から転居して戻る見込みがない場合や、本人が住まず第三者に賃貸する場合には、住宅ローンを全額返済してもらう場合があると案内している金融機関もあります。
ただし、同じ案内の中で「転勤期間中の一時的な賃貸」は別扱いとされています。
つまり、金融機関側も、
「一時的にやむを得ず貸すケース」と「住宅ローンを実質的に投資用ローンとして利用するケース」を同じものとして扱っているわけではありません。
そもそも住宅ローンはなぜ賃貸に使えないの?
住宅ローンは、基本的に借入人本人やその家族が居住する住宅を購入するための商品です。
一方、他人に貸して家賃収入を得る不動産を購入する場合には、一般的に不動産投資ローンやアパートローンなどを利用します。
住宅ローンと投資用ローンは目的が違う
住宅ローンは金融機関にとって、「本人が生活するために必要な住宅」に対する融資です。
そのため、一般的に投資用ローンと比較して金利が低く設定されています。
仮に、
「自分が住むと言って低金利の住宅ローンを借り、実際には最初から他人に貸して家賃収入を得る」
ということが自由に認められてしまえば、投資用ローンとの区別がなくなってしまいます。
したがって、当初から賃貸目的なのに自己居住用として住宅ローンを利用することと、購入後に転勤などの事情が発生してやむを得ず賃貸することは、分けて考える必要があります。
住宅ローン返済中に転勤になったらどうする?
住宅ローンを組んだ後に発生する事情として代表的なのが「転勤」です。
例えば、
東京都で自宅マンションを購入
↓
3年後に大阪への転勤が決定
↓
3年間だけ大阪勤務
↓
将来的には東京の自宅へ戻る予定
というケースです。
この場合、「売却するしかない」とは限りません。
金融機関へ事情を説明し、承諾を得ることによって、住宅ローンを継続したまま一定期間自宅を賃貸できる可能性があります。
住宅ローン返済中の物件を賃貸に出すことは原則として認められないものの、転勤などのやむを得ない事情がある場合には、金融機関の承諾を得て賃貸できる可能性があるため、事前相談が必要と案内しています。
「転勤なら絶対大丈夫」ではない
ここは非常に重要です。
転勤なら自動的に住宅ローンのまま貸せるわけではありません。
判断するのは借入先の金融機関です。
金融機関によって、
- 転勤期間
- 国内転勤か海外転勤か
- 家族も一緒に転居するのか
- 将来自宅へ戻る予定があるか
- 賃貸期間
- 住宅ローンの返済状況
- その他の借入状況
などを確認される可能性があります。
そのため、転勤が決まったら、賃貸募集を始める前に住宅ローンを借りている金融機関へ相談しましょう。
金融機関に黙って賃貸したらどうなる?
「銀行にわざわざ言わなくてもいいのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、これはおすすめできません。
住宅ローンの契約内容によっては、本人が居住しなくなったことや、融資対象物件の利用状況が変わったことについて、金融機関への届出や相談が必要になる場合があります。
無断賃貸が問題となった場合には、
- 事情説明を求められる
- 住宅ローンの継続について協議になる
- 別の商品への変更を求められる
- 条件変更となる
- 状況によっては全額返済を求められる
などの可能性があります。
「必ず一括返済」ではない
インターネットでは、
「住宅ローンの家を貸したら銀行にバレて即一括返済」
といった強い表現を見かけることがあります。
しかし、すべてのケースで自動的に一括返済になるとは限りません。
金融機関、住宅ローンの商品、契約内容、賃貸に至った事情などによって対応は異なります。
一方で、金融機関によっては、本人が戻る予定がなく第三者に賃貸する場合などに、住宅ローンの全額返済を求める可能性があることを明示しています。
したがって、
「返済していれば銀行は何も言わない」は危険な考え方です。
住宅ローンで賃貸していることは金融機関にバレる?
「実際、銀行にバレるものなの?」
という疑問を持つ方も多いでしょう。
結論として、発覚する可能性はあります。
ただし、ここで重要なのは「どうすればバレないか」を考えることではありません。
住宅ローンの契約条件に関わる以上、金融機関に無断で賃貸すること自体を避けるべきです。
住所変更が発生する
自宅を賃貸して本人が別の住宅へ引っ越す場合、当然ながら住所が変わります。
金融機関側でも住所変更手続きが必要になる場合があります。
実際、住宅ローン利用者に対して住所変更の手続きを案内している金融機関があります。
郵送物などをきっかけに確認される可能性
金融機関から融資対象物件へ郵便物等が送られるケースも考えられます。
本人が居住していなければ、郵送物が届かなかったり、何らかの形で居住状況を確認される可能性もゼロではありません。
重要なのは「バレるか」ではない
住宅ローンを利用している以上、重要なのは、
「金融機関にバレる可能性が何%あるか」
ではなく、
「現在の利用方法が住宅ローンの契約上問題ないか」
です。
「何年間も何も言われていないから問題ない」とは限りません。
すでに無断で賃貸している場合はどうすればいい?
この記事を読んでいる方の中には、
「実はもう数年前から貸している」
という方もいるかもしれません。
この場合、状況を整理する必要があります。
まず確認したいこと
最低限、次の点を確認しましょう。
- 住宅ローンを借りている金融機関
- 現在の住宅ローン商品
- 金銭消費貸借契約の内容
- 賃貸を開始した時期
- 賃貸した理由
- 現在の入居状況
- 将来自宅へ戻る予定
- 住宅ローン残高
- 現在の火災保険
- 住宅ローン控除の利用状況
長期間貸しているからといって、
「今さら金融機関には相談できない」
と決めつける必要はありません。
ただし、契約内容や経緯によって判断が大きく異なるため、安易に自己判断せず、必要に応じて金融機関や専門家へ相談しましょう。
賃貸に出したら団信(団体信用生命保険)はどうなる?
ここも非常に多い疑問です。
そもそも団信とは?
団体信用生命保険、いわゆる「団信」とは、住宅ローンの債務者が死亡した場合や所定の高度障害状態などになった場合に、保険金によって住宅ローン残高を返済する仕組みです。
保障内容は商品によって異なり、
- 死亡・高度障害
- がん
- 三大疾病
- 八大疾病
- 就業不能
- 全疾病
などが付帯している住宅ローンもあります。
住宅金融支援機構の団信でも、加入者に万一のことがあった場合、生命保険会社から住宅金融支援機構へ保険金が支払われ、その保険金によって住宅ローンが完済される仕組みとなっています。
賃貸した瞬間に団信が自動消滅するわけではない
「家を貸したら団信がなくなる」
と単純に考えるのは正確ではありません。
団信は住宅ローン契約と密接に関係しています。
したがって重要なのは、
住宅ローン自体がどのような扱いになるか
です。
例えば金融機関から住宅ローンの継続を正式に認められ、そのローン契約と団信がそのまま存続するのであれば、団信も継続する可能性があります。
一方、無断賃貸等によって住宅ローン契約上の問題が生じ、期限の利益を喪失するなどした場合には話が変わります。
住宅金融支援機構の団信では、期限前の全額返済義務を履行すべき事由に該当し、期限の利益を喪失した場合なども保障終了事由として定められています。
団信についても金融機関への確認が必要
したがって、
「住宅ローンで貸していても団信は絶対使える」
とも、
「賃貸にした瞬間に団信は無効」
とも一概には言えません。
借入先の金融機関と加入している団信の商品内容を確認することが重要です。
賃貸に出したら火災保険はどうなる?
住宅ローンと同じくらい見落としやすいのが火災保険です。
「住宅ローンを組んだときに35年分入ったから大丈夫」
と思っている方は注意してください。
自宅から貸家へ用途が変わる
自分や家族が住んでいた住宅を第三者へ貸す場合、
建物の使用状況・用途が変わります。
火災保険では建物の構造や用途などが契約条件に関係することがあります。
損保ジャパンでは、建物の構造や用途を変更した場合には取扱代理店または保険会社への連絡が必要で、連絡しない場合には必要な保険金を支払えないことがあると案内しています。
したがって、住宅を賃貸に出す場合には、現在加入している火災保険会社または保険代理店へ連絡し、
「これまで自己居住していた住宅を第三者へ賃貸する予定です」
と伝えて契約内容を確認しましょう。
入居者の火災保険とは別物
ここも混同しやすいポイントです。
賃貸住宅では、一般的に入居者にも火災保険への加入を求めます。
しかし、
オーナー側の建物の火災保険と、入居者側の火災保険は別物です。
一般的には、
オーナー側
- 建物
- オーナーとしての賠償リスク
- 家賃収入の損失等
入居者側
- 家財
- 借家人賠償責任
- 個人賠償責任等
といった形で守る対象が異なります。
「入居者が火災保険に入るから、オーナーの火災保険は不要」ということではありません。
賃貸オーナー向けの特約も検討する
自宅として使用していたときには必要性が低かった補償でも、賃貸住宅になると必要になる場合があります。
例えば保険会社によっては、
- 家賃収入補償
- 家主費用補償
- 建物管理賠償責任補償
などがあります。
東京海上日動では、火災等によって貸家が損害を受けた際の家賃損失を補償する「家賃収入補償特約」や、賃貸住宅内で孤独死等が発生した際の家賃損失・原状回復費用等を補償する「家主費用補償特約」などを案内しています。
特に区分マンションを貸す場合でも、
「建物はマンションだから管理組合の保険だけで大丈夫」
とは限りません。
専有部分についてどこまで管理組合の保険で補償されるのか、自分が加入している火災保険でどこまで補償されるのかを確認しましょう。
住宅ローン控除を受けている家を賃貸するとどうなる?
住宅ローン控除を受けている方は特に注意が必要です。
住宅ローン控除は「住宅ローンを払っているだけ」で利用できる制度ではありません。
自己居住などの要件があります。
自分が住まなくなれば原則として控除対象外になる
国税庁によると、住宅ローン控除には、住宅を取得して一定期間内に居住し、その年の12月31日まで引き続き居住していることなどの要件があります。
そのため、自宅から転居して第三者へ賃貸する場合には、原則としてそのまま住宅ローン控除を受け続けられるわけではありません。
「住宅ローンは毎月払っているから住宅ローン控除も使える」
という考え方は危険です。
転勤後に戻ってきたら住宅ローン控除を再開できる?
一定の条件を満たせば可能です。
例えば、
自宅購入
↓
住宅ローン控除開始
↓
会社の転勤命令
↓
自宅を賃貸
↓
数年後に転勤終了
↓
自宅へ再居住
というケースです。
国税庁では、勤務先からの転任命令その他これに準ずるやむを得ない事情によって居住しなくなり、その後再びその住宅へ居住した場合、一定の要件を満たせば残りの控除期間について住宅ローン控除を再適用できる制度を設けています。
ただし、再居住した年にもその住宅を賃貸していた場合には、その年ではなく翌年から再適用となる場合があります。
また、所定の手続きが必要です。
「転勤から戻ったら自動的に住宅ローン控除が復活する」というものではないため注意しましょう。
単身赴任なら住宅ローン控除はどうなる?
本人だけが転勤し、配偶者や子どもが自宅に住み続けるケースもあります。
例えば、
夫:大阪へ単身赴任
妻・子:東京の自宅に居住
というケースです。
国税庁では、住宅の所有者が転勤などのやむを得ない事情によって家族と日常の起居を共にしていない場合でも、生計を一にする家族が引き続き住宅に居住し、その事情が解消した後に本人も再び一緒に居住すると認められる場合には、本人が引き続き居住しているものとして取り扱う場合があります。
つまり、
「住民票を移した=必ず住宅ローン控除終了」
という単純な話ではありません。
実際の家族の居住状況や転勤事情などによって判断されます。
住宅ローンのまま貸す場合、投資用ローンへの変更は必要?
ケースによります。
金融機関から、
「住宅ローンの継続は認められない」
と判断された場合には、
- 住宅ローンを完済する
- 他のローンへ借り換える
- 投資用・賃貸用の融資へ変更する
- 売却する
などの選択肢を検討することになります。
ただし、
住宅ローンから投資用ローンへ自動的に切り替わるわけではありません。
また、投資用ローンでは住宅ローンより金利が高くなることも一般的です。
残債が大きい場合には審査の問題もあるため、
「貸せば家賃で住宅ローンを払えるから大丈夫」
という収支だけで判断しないようにしましょう。
自宅を賃貸に出す前に確認すべき7項目
住宅ローン返済中の住宅を賃貸するなら、最低でも次の7項目を確認しておきましょう。
1.住宅ローンを借りている金融機関
最優先です。
「転勤で○年間自宅を離れるため、その期間だけ賃貸したい」
など、事情を具体的に伝えましょう。
2.住宅ローンの契約内容
金銭消費貸借契約書や住宅ローンの商品説明書などを確認します。
特に、
- 資金使途
- 届出事項
- 住所変更
- 期限の利益
- 全額返済に関する事項
などを確認しましょう。
3.団体信用生命保険
住宅ローンの取り扱いが変わることで団信に影響がないか確認します。
4.火災保険
自己居住から賃貸へ変更することを保険会社・代理店へ伝えます。
5.住宅ローン控除
現在住宅ローン控除を受けている場合には、賃貸開始後の税務上の取り扱いを確認します。
6.管理規約
分譲マンションの場合は管理規約も確認しましょう。
物件によっては、
- 賃貸時の届出
- 入居者情報の提出
- 民泊禁止
- ペット
- 駐車場
- 使用細則
などのルールがあります。
7.賃貸としての収支
「住宅ローン返済額より家賃が高いから黒字」
とは限りません。
オーナー側には、
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
- 火災保険料
- 賃貸管理料
- 入居者募集費用
- 原状回復費用
- 設備故障
- 空室期間
- 所得税・住民税等
などの負担があります。
住宅ローン返済額10万円・家賃15万円でも5万円儲かるとは限らない
例えば住宅ローン返済額が月10万円、想定賃料が月15万円だったとします。
一見すると、
15万円-10万円=5万円
なので、毎月5万円の利益が出るように見えます。
しかし実際には、
家賃15万円
-管理費・修繕積立金
-賃貸管理料
-固定資産税相当額
-火災保険
-設備修繕費
-募集費用
-空室損
などを考える必要があります。
さらに税務上、住宅ローンの元本返済部分そのものが不動産所得の必要経費になるわけではありません。
そのため、
「家賃-住宅ローン=利益」ではない
という点は覚えておきましょう。
普通借家契約と定期借家契約はどちらがいい?
転勤などで将来自宅へ戻る予定がある場合、非常に重要なのが賃貸借契約の種類です。
普通借家契約
一般的な賃貸住宅で広く利用される契約です。
契約期間が終了しても、貸主側から更新を拒絶したり契約を終了させたりするには一定の要件が必要です。
そのため、
「3年後に転勤から戻るから必ず退去してもらいたい」
というケースでは注意が必要です。
定期借家契約
契約で定めた期間が満了すると、原則として契約が終了する仕組みです。
例えば、
「海外赴任が3年間なので、その期間だけ自宅を貸したい」
といった場合には、定期借家契約が選択肢になります。
ただし、定期借家契約には法律上必要な手続きがあり、単に契約書へ「定期借家」と書けば成立するわけではありません。
将来自宅へ戻る予定がある方は、募集開始前に不動産会社へ相談することをおすすめします。
「とりあえず普通借家で貸して、戻るとき退去してもらう」は危険
転勤期間が2~3年だからといって、
「2年契約にしておけば、2年後には退去してもらえる」
とは限りません。
普通借家契約では契約期間が2年間と書かれていても、期間満了だけで当然に借主を退去させられるわけではありません。
これは、転勤賃貸で非常に重要なポイントです。
将来自宅へ戻る可能性が高いのであれば、
金融機関への確認と同時に、賃貸借契約をどう設計するか
まで考えておきましょう。
自宅を貸すか売るかはどう判断する?
住宅ローンが残っている住宅から転居する場合、
「貸す」
だけが選択肢ではありません。
大きく分けると、
- 賃貸する
- 売却する
- 空室のまま保有する
という3つの選択肢があります。
賃貸が向いている可能性がある人
- 数年後に自宅へ戻る予定がある
- 賃料相場が高い
- 住宅ローン残高に対して賃料収入が十分ある
- 将来的な資産価値も期待できる
- 金融機関が賃貸を承諾している
売却が向いている可能性がある人
- 自宅へ戻る予定がない
- 住宅ローン残高より高く売却できる
- 空室・修繕リスクを負いたくない
- 次の住宅を購入したい
- 二重ローンを避けたい
空室保有が向いている可能性がある人
- 転勤期間が非常に短い
- 確実に戻る予定がある
- 家賃収入よりも自由に戻れることを優先したい
どれが正解かは、物件価格、住宅ローン残高、想定賃料、転居期間などによって変わります。
賃貸に出す前に「売却価格」も確認した方がいい理由
賃貸を検討している方でも、一度売却価格を確認しておくことをおすすめします。
例えば、
住宅ローン残高:3,500万円
想定売却価格:5,000万円
想定賃料:月18万円
という物件と、
住宅ローン残高:4,800万円
想定売却価格:4,500万円
想定賃料:月15万円
という物件では、取るべき戦略が大きく変わります。
「せっかく買った家だから貸そう」
と感情だけで決めるのではなく、
①売った場合
②貸した場合
③そのまま持った場合
の3パターンを数字で比較すると判断しやすくなります。
住宅ローン返済中の賃貸でよくある誤解
「返済を遅れていなければ銀行は何も言わない」
返済状況だけが住宅ローンの条件ではありません。
住宅ローンは資金使途が重要です。
「転勤なら銀行に言わなくても大丈夫」
転勤なら賃貸を認めてもらえる可能性はあります。
だからこそ、事前に相談しましょう。
「賃貸にした瞬間、団信が必ずなくなる」
必ずそうなるとは限りません。
住宅ローン契約と団信の取り扱いを金融機関へ確認する必要があります。
「入居者が火災保険に入るからオーナーは不要」
入居者の火災保険と、建物所有者の火災保険は役割が異なります。
「住宅ローンを払っているから住宅ローン控除も使える」
住宅ローン控除には自己居住等の要件があります。
「2年契約なら2年後に必ず入居者に退去してもらえる」
普通借家契約ではそうとは限りません。
将来自宅へ戻る場合は契約方式の検討が必要です。
住宅ローン返済中の家を賃貸に出す流れ
実際に賃貸を検討する場合には、次の順番で進めるとよいでしょう。
STEP1 住宅ローン残高を確認する
まず現在の借入残高を確認します。
STEP2 金融機関へ相談する
賃貸募集を開始する前に、
- 転居理由
- 転居予定日
- 賃貸予定期間
- 将来自宅へ戻る予定
などを伝えます。
STEP3 火災保険を確認する
現在の契約をそのまま継続できるか、用途変更等の手続きが必要かを確認します。
STEP4 賃料査定をする
周辺の募集賃料だけではなく、
「実際に成約する可能性の高い賃料」
を確認します。
STEP5 売却価格も確認する
賃貸だけでなく売却という選択肢も数字で比較します。
STEP6 賃貸借契約の種類を決める
将来自宅へ戻るのであれば、普通借家・定期借家のどちらが適しているか検討します。
STEP7 募集条件を決める
- 賃料
- 管理費
- 敷金
- 礼金
- 契約期間
- 更新条件
- ペット
- 喫煙
- 法人契約
- 定期借家
などを決めます。
STEP8 入居者募集
不動産会社を通じて募集を開始します。
よくある質問
Q1.住宅ローンが残っていても家を貸せますか?
金融機関の承諾を得られれば、貸せる可能性があります。
特に転勤など一時的かつやむを得ない事情では、住宅ローンを継続したまま賃貸を認めてもらえる場合があります。
ただし金融機関や住宅ローン商品によって対応が異なるため、必ず借入先へ確認してください。
Q2.銀行に内緒で賃貸したら一括返済になりますか?
必ず一括返済になるとは限りません。
ただし、住宅ローン契約に反する状態と判断された場合には、全額返済を求められる可能性があります。
無断で貸すことは避けましょう。
Q3.住宅ローンで賃貸していることはバレますか?
発覚する可能性はあります。
住所変更や金融機関との各種手続きなど、本人が居住していないことを金融機関が把握するきっかけは考えられます。
「バレるかどうか」ではなく、事前に金融機関へ相談することが重要です。
Q4.転勤なら住宅ローンのまま貸せますか?
認められる可能性があります。
ただし、「転勤=無条件でOK」ではありません。
転勤期間や将来自宅へ戻る予定などを金融機関へ説明し、承諾を得ましょう。
Q5.家を貸したら団信はなくなりますか?
賃貸に出したことだけを理由に「必ずなくなる」とは一概に言えません。
住宅ローンの継続可否や団信契約によって異なるため、金融機関への確認が必要です。
Q6.火災保険はそのままで大丈夫ですか?
そのままにしない方がよいでしょう。
自己居住から賃貸へ変わる場合、建物の用途等について保険会社・代理店への通知や契約変更が必要になる可能性があります。
Q7.入居者にも火災保険へ入ってもらう必要がありますか?
一般的には加入してもらいます。
入居者側では家財保険や借家人賠償責任保険などを付帯した火災保険へ加入するケースが一般的です。
Q8.賃貸中でも住宅ローン控除を受けられますか?
本人や家族が居住しなくなり第三者へ賃貸する場合には、原則として従来どおり住宅ローン控除を受け続けられるわけではありません。
転勤等で再居住した場合には、一定の要件を満たすことで残存期間について再適用を受けられる場合があります。
Q9.住民票を移さなければ大丈夫ですか?
住民票だけで判断する問題ではありません。
実際の居住状況や住宅ローン契約の条件が重要です。
「住民票を残しておけば住宅ローン上問題ない」という考え方は避けましょう。
Q10.すでに何年も無断で貸しています。どうすればいいですか?
まず住宅ローンの商品、契約内容、賃貸開始時期、賃貸した経緯、現在の残債などを整理しましょう。
長期間問題なく返済してきたからといって、将来も問題が起こらないとは限りません。
具体的な対応は契約内容によって異なるため、個別確認が必要です。
Q11.賃貸に出すなら住宅ローンを投資用ローンへ変更しなければなりませんか?
必ず変更になるとは限りません。
金融機関が住宅ローン継続を承諾するケースもあれば、別のローンへの切り替え等を求められるケースも考えられます。
Q12.転勤から3年後に戻る予定です。普通借家と定期借家どちらがいいですか?
自宅へ戻る時期が明確なのであれば、定期借家契約を検討する価値があります。
普通借家契約では「契約期間が終わったから」という理由だけで必ず退去してもらえるわけではないためです。
住宅ローン返済中の自宅を貸すなら「金融機関→保険→賃貸」の順番が重要
住宅ローンが残っている自宅を賃貸すること自体が、すべてのケースで禁止されているわけではありません。
転勤や海外赴任などのやむを得ない事情があれば、金融機関の承諾を得たうえで住宅ローンを継続し、一時的に賃貸できる場合があります。
一方で、
「毎月住宅ローンを返しているから自由に貸していい」
というわけでもありません。
住宅ローンは原則として自己居住を前提とした融資です。
そのため、賃貸を検討する際には、
①住宅ローンを借りている金融機関へ確認
②団信の取り扱いを確認
③火災保険会社・代理店へ確認
④住宅ローン控除など税務面を確認
⑤賃料査定と売却査定を比較
⑥普通借家・定期借家を検討
⑦問題がなければ入居者募集
という順番で進めることをおすすめします。
特に転勤や住み替えの場合、
「貸した方がいいのか」
「売った方がいいのか」
「数年間だけ貸して戻った方がいいのか」
は物件によって大きく異なります。
住宅ローン残高だけでは判断できません。
現在の売却価格と想定賃料の両方を把握したうえで、今後のライフプランまで含めて比較することが重要です。
住宅ローン返済中の自宅を貸すか迷っている方へ
「転勤が決まったけれど、自宅を売るか貸すか迷っている」
「住宅ローンが残っているマンションを賃貸できるのか知りたい」
「数年後には自宅へ戻る予定なので、期間限定で貸したい」
「現在の家賃相場を知りたい」
「貸した場合と売った場合、どちらが有利か比較したい」
このような場合は、賃貸募集を始める前に一度整理することをおすすめします。
当社では、東京都23区を中心に、マンション・戸建ての賃貸、賃貸管理、売却のご相談を承っています。
単に「高く貸せます」「高く売れます」という査定ではなく、住宅ローン残高や今後の居住予定などを踏まえて、
「貸す」「売る」「保有する」
それぞれの選択肢を比較することも可能です。
住宅ローン返済中だからといって、最初から売却・賃貸のどちらかに決める必要はありません。
まずは現在の物件が、
いくらで貸せそうなのか。
いくらで売れそうなのか。
そこから確認してみましょう。
※住宅ローンの継続可否・条件変更等について最終的に判断するのは借入先の金融機関です。当社が住宅ローンの継続を保証するものではありません。また、税務・保険等については、個別の状況に応じて金融機関、税理士、保険会社等へご確認ください。
不動産購入の相談はプロにお任せ!
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