住宅ローン審査に影響する借入とは|カードローン・奨学金・車ローン等

住宅ローンの審査では、単に「年収」や「物件価格」だけを見ているわけではありません。
金融機関は、申込者の返済能力を総合的に判断するために、住宅ローン以外の借入や契約内容も細かくチェックします。
たとえばカードローン、自動車ローン、奨学金、教育ローン、さらにはクレジットカードのリボ払いやスマートフォンの端末代の分割払いまで、意外な契約が影響してくるのです。
借入金額が少額でも「複数のローンを抱えている」と見なされれば、住宅ローンの借入可能額が下がったり、最悪の場合は審査落ちにつながることもあります。
本記事では、住宅ローン審査に干渉する主な借入を網羅的に解説し、それぞれがどのように審査へ影響するのかを詳しく見ていきます。
あわせて、審査を有利に進めるための対策や注意点もまとめていますので、これから住宅ローンの申込を考えている方はぜひ参考にしてください。
※尚、本記事で紹介する内容は一般的な考え方に基づいたものです。住宅ローン審査は金融機関ごとに基準や審査金利が異なるため、実際の借入可能額や結果はケースによって変わる点にご留意ください。
住宅ローン審査で見られる「返済負担率(返済比率)」とは
住宅ローンの審査で最も重要視されるのが「返済負担率(返済比率)」です。これは 年収に占める年間返済額の割合 を指します。計算式は次の通りです。
返済負担率(%) =(すべての借入の年間返済額 ÷ 年収)×100
計算例(他のローンが無い場合)
- 年収:600万円
- 金融機関基準:返済比率35%以下
👉 年収600万円の35%=210万円が年間返済の上限。(金利考慮していない)
金利を考慮しないと「借入可能額は 約7,350万円 になります。」
仮に金利が1.5%の場合
審査金利1.5%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約5,700万円 になります。
仮に金利が2.0%の場合
審査金利2.0%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約5,280万円 になります。
仮に金利が2.5%の場合
審査金利2.5%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約4,880万円 になります。
仮に金利が3.0%の場合
審査金利3.0%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約4,520万円 になります。
仮に金利が3.5%の場合
審査金利3.5%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約4,200万円 になります。

※審査金利とは、住宅ローン審査の際に返済比率を算出するために用いられる基準金利のことで、フラット35のような固定金利型では実際の適用金利とほぼ同じ水準で扱われるケースが一般的です。
一方で、変動金利型ではリスクを加味してやや高めの金利を設定されることが多く、目安として3.0%〜3.5%程度で計算される場合がよく見られます。
計算例(カードローンがある場合)
- 年収:600万円
- 金融機関基準:返済比率35%以下
- カードローン残高:300万円(返済期間5年、金利12% → 月返済 約67,000円)
- 年間返済額:67,000円×12=約80万円
👉 年収600万円の35%=210万円が年間返済の上限。
すでにカードローンで年間80万円返済しているため、住宅ローンに回せるのは残り 210万−80万=130万円。
金利1.5%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約5,700万円 → 約3,540万円に減額 されます。
仮に金利が2.0%の場合
審査金利2.0%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約3,270万円 になります。
仮に金利が2.5%の場合
審査金利2.5%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約3,030万円 になります。
仮に金利が3.0%の場合
審査金利3.0%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約2,815万円 になります。
仮に金利が3.5%の場合
審査金利3.5%・35年返済と仮定すると、借入可能額は 約2,620万円 になります。

つまり、カードローン1本があるだけで借入可能額は数千万円単位で減るのです。
※尚、同じ300万円のローンでも「返済期間」や「金利」が違えば月返済額も違うので、住宅ローンに使える枠=借入可能額も変わります。
(例)300万円のローン
・カードローン(5年/金利12%と仮定 → 月返済 約67,000円(年80万円))
→ 年80万円の返済負担 → 住宅ローンに回せるのは130万円
・自動車ローン(低金利) → 年65万円の返済負担 → 住宅ローンに回せるのは145万円
カードローン(5年/金利3%と仮定 → 月返済 約54,000円(年65万円))
→ 年65万円の返済負担 → 住宅ローンに回せるのは145万円
住宅ローン審査において基準のひとつとなるのが「返済負担率(返済比率)」です。これは、年収に占める年間返済額の割合を示すもので、フラット35の場合は年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下、銀行系ローンでは25〜35%前後が目安とされています。ここで重要なのは、返済負担率に含まれるのは住宅ローンの返済だけではないという点です。自動車ローンや教育ローン、奨学金の返済、カードローンやリボ払いの毎月の返済もすべて合算されます。つまり「借入が多いほど住宅ローンの余力が小さくなる」仕組みです。
住宅ローン審査に影響する主な借入・契約一覧
カードローン・キャッシング
カードローンやキャッシングは、住宅ローン審査で特に警戒される借入のひとつです。
理由はシンプルで、金利が高く、生活費が不足しているから借りていると解釈されやすいためです。
少額の利用であっても「毎月返済が必要」という事実は返済比率に組み込まれ、住宅ローンの借入可能額を下げてしまいます。

加えて、利用残高が少なくても借入件数が多ければ「複数の金融機関から借りる必要がある人」と判断され、信用度が低下します。
さらに、延滞履歴があれば信用情報に記録され、5年間は消えないため、その間は住宅ローン審査が非常に厳しくなります。審査前には完済・解約しておくのが理想です。
自動車ローン
自動車ローンは多くの家庭で利用されている借入ですが、住宅ローン審査では必ず返済比率に含まれます。特に注意したいのは残価設定型ローンです。
このローンは毎月の支払額を抑えられる一方で、最終回に大きな一括支払いが残る仕組みです。
金融機関からすると「将来に大きな返済リスクがある」とみなされ、評価が厳しくなることもあります。

たとえ毎月の返済額が数万円程度でも、年収に対する割合が増えるため、住宅ローンの借入可能額が減少するのは避けられません。
可能であれば住宅ローン申込前に完済するか、頭金を多めに入れて影響を小さくすることが望ましいです。
教育ローン・奨学金
教育ローンや奨学金も住宅ローン審査では無視できない借入です。
奨学金は「学費のための制度だから特別扱いされる」と誤解している方もいますが、金融機関から見れば通常のローンと同じです。
毎月1〜2万円の返済でも年収が低ければ返済比率を圧迫し、借入可能額を引き下げる要因になります。
また、日本政策金融公庫の教育ローンや銀行の学資ローンも同様に計算対象です。

返済が長期にわたることが多く、残高が大きい場合はさらに不利に働きます。
とはいえ、正直に申告すれば致命的になるわけではなく、総返済比率の範囲内であれば問題ないケースも多いため、隠さず申告することが重要です。
クレジットカードのリボ払い・分割払い
クレジットカードのリボ払いや分割払いも審査に大きく影響します。
利用残高が少額であっても、リボ払いは「毎月の支払いが続いている=恒常的な借金」と評価されるからです。
特に複数カードでリボ残高を抱えている場合、返済能力が低いと見なされてしまいます。
分割払いも同様で、毎月の支払額が返済比率に加算されるため、借入可能額を下げる要因となります。
金融機関によっては「リボ払いがあるだけで減点評価」とするケースもあるため、住宅ローンの申込前に残高をゼロにし、リボ利用を解約しておくのが安全策です。
スマホ・携帯電話の分割払い
スマートフォン端末の分割払いは意外な盲点です。端末を分割で購入すると「割賦契約」として信用情報に記録され、住宅ローン審査でも借入として扱われます。
月額数千円であっても返済比率に加算され、さらに延滞歴があると信用情報に「異動」として残り、審査落ちにつながります。

携帯料金の延滞を軽く考える人もいますが、金融機関から見ると「返済期日を守れない人」として大きなマイナス評価です。過去の支払い遅延があれば、5年間は信用情報に残り続けるため、その期間は住宅ローン審査に通らない可能性が高いのです。
ショッピングローン(家電・家具など)
家電や家具の購入で利用するショッピングローンも返済比率に含まれます。
金額は数万円程度でも、審査では「小さな借入を繰り返している=生活に余裕がない」と解釈されやすい点が問題です。
特に複数のショッピングローンを抱えていると、合計の毎月返済額が膨らみ、住宅ローンの借入枠を大きく圧迫します。
住宅ローンの申込前には、こうした少額ローンを一括返済して解約しておくことが推奨されます。
消費者金融からの借入
消費者金融からの借入は、金融機関がもっとも警戒する借入のひとつです。
高金利で借入している事実自体が「返済能力に余裕がない」と判断され、たとえ残高が少なくても信用力に大きなマイナスとなります。
さらに、複数の消費者金融から借入している場合は「多重債務」と見なされ、住宅ローン審査はほぼ通らないと考えてよいでしょう。
審査を受ける前に必ず完済・解約することが求められます。
クレジットカードのキャッシング枠
クレジットカードについているキャッシング枠は、実際に利用していなくても金融機関によっては「潜在的な借入可能額」として評価されることがあります。
つまり、10万円の枠があれば「10万円借りる可能性がある人」と判断される場合があるのです。
これが重なると審査に不利になります。
住宅ローン申込前には、キャッシング枠を0円に変更しておくと安心です。

リース契約・分割払い(家具・パソコンなど)
家具やパソコンなどをリース契約や長期分割払いで利用している場合も、審査に影響します。
特に法人契約ではなく個人契約の場合、毎月の支払額は借入と同様に返済比率に組み込まれます。
パソコンのリース料が数千円でも、それが複数重なれば負担は増し、住宅ローンの審査に不利となります。
その他の借入(勤務先貸付・個人間借入)
勤務先からの貸付金や友人知人からの借入も「返済義務がある借入」として扱われます。
信用情報に載らなくても、申告義務があるため、金融機関の申込書に記載する必要があります。
虚偽申告が発覚すれば契約解除や一括返済を求められるリスクがあるため注意が必要です。
住宅ローン審査を有利に進めるための対策
住宅ローン審査を少しでも有利にするには、申込前の準備がカギです。
まずはカードローンやキャッシングを完済・解約し、リボ払いも残高ゼロにしましょう。
クレジットカードは2〜3枚に整理し、キャッシング枠は0円に変更しておくと安心です。
自動車ローンは可能であれば繰上返済し、奨学金や教育ローンは正直に申告することが重要です。
もし延滞歴がある場合は、信用情報から記録が消える5年を待ってから申込む方が現実的です。
まとめ
住宅ローン審査は、住宅ローンそのものだけでなく、他のあらゆる借入や契約を含めた「返済能力全体」を見られます。
カードローン、自動車ローン、教育ローン、奨学金、クレジットカードのリボ払い、スマホの分割払い、消費者金融からの借入、さらにはキャッシング枠や小さなショッピングローンまで、すべてが審査対象です。
重要なのは「返済比率を下げ、信用情報をきれいにしておくこと」です。
少額だから大丈夫と軽視せず、住宅ローン申込前に借入を整理しておけば、希望額を借りられる可能性が高まります。
住宅ローンは数十年にわたる大きな契約です。準備を怠らず、余裕を持った計画で審査に臨むことが、失敗を防ぐ第一歩となるでしょう。
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