相続で一番揉めるのは不動産|よくあるトラブルと防止策を専門家が解説

はじめに
相続と聞くと「財産を受け継ぐこと」というイメージを持つ人が多いでしょう。しかし実務の現場では「相続は揉め事の始まり」と表現されることさえあります。その中でも特にトラブルが集中するのが 不動産の相続 です。現金や株式は比較的分けやすいのに対し、不動産は分けにくく、感情や利害も絡みやすいため、兄弟姉妹が深刻な対立に陥ることも少なくありません。
本記事では、不動産相続がなぜ揉めるのか、典型的なトラブル事例、防止策までをわかりやすく解説していきます。
なぜ相続では不動産が揉めやすいのか
分けにくい性質を持つから
不動産は「現物資産」であるため、複数人で均等に分割することが難しい財産です。現金なら1,000万円を兄弟3人で分ければ単純に333万円ずつとなりますが、土地や建物を同じように三等分することは現実的ではありません。無理に分筆すると土地の形がいびつになったり、建物の利用が不便になったりして資産価値が下がってしまいます。この「物理的に分けられない」という点が、不動産相続の最大の火種です。
感情が強く影響するから
不動産には「思い出」や「生活の基盤」といった感情的な価値が伴います。実家を継ぎたい長男と、売却して現金化したい次男の間で意見が対立する、というケースは非常に多いです。
ときには「自分が親の面倒を見てきたのだから家は自分のもの」という感情論に発展し、客観的な議論が難しくなることもあります。

評価額の算定が難しいから
不動産の評価は、固定資産税評価額、相続税評価額(路線価)、実勢価格など複数の基準が存在し、それぞれに差があります。相続人が「こんなに安く見積もるなんて不公平だ」と感じれば、不信感が募り争いの火種になります。特に土地は形状や立地によって大きく価格が変わるため、査定が1社と3社では数百万円単位で差が出ることも珍しくありません。
共有名義のリスクが大きいから
「公平に分けたい」という思いから不動産を兄弟姉妹で共有名義にするケースも多いですが、これは後々の大きなトラブルの原因になります。不動産を売却・賃貸・建替えする際には共有者全員の同意が必要となり、一人でも反対すれば進められません。例えば相続から10年後に売却しようとした際、兄弟の一人が海外に住んでいて連絡が取れない場合、事実上その不動産は動かせなくなります。
不動産相続でよくあるトラブル事例
自宅をめぐる居住権争い
親が住んでいた自宅を相続したとき、長男はそのまま住み続けたいが、他の兄弟は売却を希望する。このような場合、同居していた長男の生活基盤を守るのか、それとも公平な分配を優先するのか、判断が難しく対立が激化しやすいです。
代償分割資金が用意できない
一人が不動産を相続し、他の相続人には現金で清算する「代償分割」という方法があります。
しかし相続人が清算資金を準備できない場合、合意が成立せず揉めてしまいます。特に不動産の評価額が数千万円に及ぶと、一括で代償金を支払うのは現実的に難しいことが多いです。

遺言がなく突然始まる遺産分割協議
親が遺言を残さないまま亡くなると、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。不動産がある場合、話し合いが長引き、感情的な争いに発展するリスクが非常に高くなります。実務では「親が元気なうちに遺言を残しておけば防げたのに」というケースが少なくありません。
不動産の維持費負担をめぐる争い
相続後に空き家となった不動産では、固定資産税や修繕費を誰が負担するかで揉めることがあります。名義を共有にしている場合、「自分は使っていないのに費用を負担するのは納得できない」と不満を抱く相続人が出やすいです。
不動産相続で揉めないための防止策
公正証書遺言を活用する
最も有効な対策は、生前に遺言書を作成しておくことです。
特に公正証書遺言は、公証役場で作成されるため偽造や争いのリスクが低く、検認も不要でスムーズに効力を発揮します。
「誰にどの不動産を相続させるのか」を明確にしておくだけで、遺産分割協議を回避でき、相続トラブルを大幅に減らすことが可能です。

不動産を売却して現金化しておく
不動産は分けにくい財産ですが、現金化すれば平等に分割できます。親が元気なうちに不動産を売却し、現金を相続させるという選択肢も有効です。特に利用予定のない実家や別荘などは、相続開始後に空き家となって固定資産税や維持費だけが負担になるケースも多いため、生前売却は合理的な方法といえます。
生命保険を活用して代償分割資金を確保
「不動産は長男に相続させたいが、他の兄弟にも公平に分けたい」という場合、生命保険を活用する方法があります。
生命保険の死亡保険金は原則非課税枠(500万円×法定相続人の数)があり、現金で受け取れるため、代償分割の資金として非常に有効です。

生前贈与で少しずつ移転しておく
年間110万円までの基礎控除を利用した暦年贈与や、相続時精算課税制度を活用すれば、生前に不動産の持分を少しずつ移転していくことも可能です。相続開始時に大きな財産が残らないよう調整することで、分割トラブルを軽減できます。
専門家に相談する
弁護士や司法書士、税理士、不動産会社などの専門家を交えて協議を進めれば、客観的な評価や手続きが可能となり、不公平感を和らげられます。相続が発生してからではなく、生前の段階から相談しておくのが理想的です。
まとめ
相続において一番揉めやすい財産は「不動産」です。
理由は、分割の難しさ、感情の対立、評価額の不一致、共有名義のリスクなどが複雑に絡み合うためです。実家や土地をどうするかをめぐり、兄弟姉妹が絶縁状態になることも珍しくありません。
しかし、公正証書遺言の作成、不動産の現金化、生命保険の活用、生前贈与などを組み合わせれば、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。
👉 「不動産がある相続」は、事前の準備と話し合いがすべて。
家族が安心して次世代に財産を引き継げるよう、早めの対策を心がけましょう。
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